NYの “ 巨大な巻貝 “
The "Giant Nautilus" of NY
【建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの傑作】NYグッゲンハイム美術館に見る「有機的建築」の真髄

オーガニックハウスにお住まいの皆様、そしてフランク・ロイド・ライトの建築思想に惹かれる皆様、こんにちは。
私たちが日々提案している「有機的建築(Organic Architecture)」。自然と調和し、住まう人の精神を豊かにするこの思想は、ライトが生涯をかけて追い求めたテーマでした。
そのライトの晩年の最高傑作であり、「有機的建築」の記念碑的な存在が、ニューヨークにあるソロモン・R・グッゲンハイム美術館です。
今回は、オーガニックハウスのルーツとも言えるこの美術館の魅力と、そこに込められたライトの哲学をご紹介します。皆様のご自宅にも通じる「美の遺伝子」を、ぜひ感じてください。

街に舞い降りた「巨大な巻貝」
マンハッタンの整然とした街並みの中に、突如として現れる優美な曲線。 「かたつむりの殻」とも形容されるその螺旋(らせん)状のフォルムは、四角い箱型のビルが立ち並ぶニューヨークにおいて、圧倒的な存在感を放っています。
ライトは、従来の美術館のような「部屋から部屋へ移動する」断絶された空間を嫌いました。代わりに彼が目指したのは、流れるような連続性です。
来館者はまずエレベーターで最上階へ上がり、螺旋状の緩やかなスロープを下りながら、壁面に飾られたアートを鑑賞します。そこには階段も、部屋を区切るドアもありません。まるで散歩をするように、自然なリズムで芸術と空間を体験する。
この「空間の連続性」は、オーガニックハウスが大切にしている「居室を壁で細かく区切らず、空間を緩やかにつなぐ」という設計思想と深く通じています。

「光」が降り注ぐ、精神の神殿
美術館の中に一歩足を踏み入れると、そこには巨大な吹き抜け空間(ロタンダ)が広がります。 見上げれば、幾何学模様の天窓から柔らかな自然光が降り注ぎ、館内全体を包み込んでいます。ライトはこの美術館を「精神の神殿(Temple of Spirit)」と呼びました。
人工的な照明に頼るのではなく、太陽の光を最大限に取り込み、時間や天候の移ろいを内部にいながらにして感じる。 これは、皆様のオーガニックハウスが、深い軒や連なる窓を通じて「自然の光と風を住まいに取り入れる」ことと同じ哲学です。
美術館という巨大な建築であっても、住宅という親密な空間であっても、ライトが目指した「人間と自然の調和」というテーマは揺らぐことがありません。

時代を超えて愛される、普遍的な美しさ
1959年、ライトの死後半年を経て開館したこの美術館は、半世紀以上が経過した今もなお、古びるどころか、そのモダンさと美しさで世界中の人々を魅了し続けています。
流行に左右されず、時を経るごとに風格を増していく建築。 それはまさに、私たちがオーガニックハウスで目指す「世代を超えて住み継がれる家」の姿そのものです。
グッゲンハイム美術館を訪れることは、単なる観光ではありません。それは、ご自身が選ばれた住まいのルーツを辿り、ライトが遺した「時代を超える価値」を再確認する旅となるでしょう。

インフォメーション
もしニューヨークを訪れる機会があれば、ぜひこの建築空間をご自身の五感で体験してみてください。その曲線、光の入り方、素材の質感の中に、きっと「我が家」と同じ心地よさを発見できるはずです。
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 The Solomon R. Guggenheim Museum https://www.guggenheim.org/