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The "Prairie" in Sapporo           

【建築探訪】北の大地に息づくフランク・ロイド・ライトの遺伝子。名建築「旧小熊邸」を訪ねて

出典:[旧小熊邸]by 禁樹なずな, via Wikimedia Commons

私たちオーガニックハウスが継承する、巨匠フランク・ロイド・ライトの建築思想「有機的建築」。 時代や流行に左右されないその普遍的な美しさは、日本各地に残る歴史的建造物の中にも見出すことができます。

今回ご紹介するのは、北海道札幌市、藻岩山の麓に静かに佇む「旧小熊邸」。 実はこの建物、ライトの愛弟子である建築家・田上義也(たのうえ よしや)氏の手によるものであり、北国におけるライト建築の系譜を語る上で欠かせない傑作なのです。

今回は、オーガニックハウスのオーナー様ならきっと心惹かれる、旧小熊邸の魅力とストーリーをご紹介します。

ライトの薫陶を受けた「北海道のライト」、田上義也

旧小熊邸が建てられたのは1927年(昭和2年)。設計を手掛けた田上義也氏は、あの帝国ホテル(旧本館)の建設時にフランク・ロイド・ライトに師事した経歴を持つ建築家です。

ライトのもとで建築の真髄を学んだ田上氏は、関東大震災を機に北海道へ移住。以降、ライトから受け継いだ「プレイリースタイル(草原様式)」の理念を、雪国・北海道の風土に合わせて昇華させ、数々の名建築を世に送り出しました。

出典:[旧小熊邸]by 663ハイランド, via Wikimedia Commons

まさに、ライトの遺伝子を北の大地に根付かせた人物と言えるでしょう。

自然と調和する「水平ライン」と「幾何学デザイン」

旧小熊邸を訪れてまず目を奪われるのは、ライト建築の大きな特徴である「深く張り出した軒」と「水平ラインの強調」です。

地面にしっかりと根を張るような安定感のあるフォルムは、背景にある藻岩山の自然と見事に調和しています。これは、オーガニックハウスが大切にしている「建物と環境の融合」という理念そのものです。

見どころ:光と影を操る窓

建物内部や外観のアクセントとなっているのが、幾何学模様があしらわれた窓のデザインです。 ライトの影響を色濃く残すこの幾何学的な装飾は、単なる飾りではありません。室内に差し込む光を複雑にカットし、時間帯によって移ろう美しい「影」を生み出します。

かつて北海道大学の教授であった小熊氏の自邸として建てられたこの空間には、学究の場にふさわしい静謐さと、住まう人を包み込む温かみが共存しています。

時代を超えて愛される場所へ(現在の旧小熊邸)

この旧小熊邸は、一度は解体の危機に瀕しましたが、市民による保存運動によって守られ、1998年に現在の場所(藻岩山ロープウェイ山麓駅の隣)へ移築復元されました。札幌市の「景観資産」にも指定されています。

出典:[旧小熊邸]by 663ハイランド, via Wikimedia Commons

長らく「ろいず珈琲館」として親しまれてきましたが、現在はフライフィッシング&アウトドアショップ「ドリーバーデン(Dolly Varden)」として新たな歴史を刻んでいます。 店内にはカフェスペースも併設されており、コーヒーを味わいながら、田上氏が設計した空間の質感を肌で感じることができます。

フィッシング用品という「自然と遊ぶ道具」を扱うお店として使われていることも、自然との調和を愛したライトや田上氏の精神に通じるものを感じずにはいられません。

「住み継がれる家」の価値を再確認する旅へ

築90年以上を経てもなお、古びるどころか味わいを増し、多くの人々を魅了し続ける旧小熊邸。 それは、「良い建築は、時を超えて愛される」という事実を私たちに証明してくれています。

オーガニックハウスにお住まいの皆様も、北海道・札幌を訪れた際は、ぜひこの「旧小熊邸」に立ち寄ってみてください。 ご自宅のデザインのルーツにある思想が、北の大地でどのように表現されているか——。その発見は、きっと皆様の暮らしへの愛着をより深いものにしてくれるはずです。

出典:[旧小熊邸]by 663ハイランド, via Wikimedia Commons

【スポット情報】

名称:旧小熊邸(現店舗名:ドリーバーデン / Dolly Varden)

住所:北海道札幌市中央区伏見5丁目3-1

アクセス:札幌市電「ロープウェイ入口」停よりシャトルバス等(藻岩山ロープウェイ山麓駅隣)

distinct Editorial team

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Trip

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Published  

2026/2/12

distinct Editorial team

2026/3/9

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