NYの “ レッドカーペット “
New York's "Red Carpet"
ニューヨーク・メトロポリタン美術館で出会う、フランク・ロイド・ライトと浮世絵の幸福な関係

出典:[The Met] by Epicgenius, via Wikimedia Commons
ニューヨーク、マンハッタン。セントラルパークの東側に佇む世界最大級の美の殿堂、メトロポリタン美術館(The Met)。この場所と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、世界中のセレブリティが集うファッションの祭典「メットガラ」の、あの華やかな「レッドカーペット」かもしれません。
しかし、その熱狂から少し離れたアメリカン・ウィングの静かな一角に、私たち「オーガニックハウス」のルーツである建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した「空間そのもの」が展示されていることをご存知でしょうか?
今回は、ニューヨークのアートシーンを通じて、ライトが愛した「浮世絵」と建築の意外な関係、そして現代の私たちの家づくりに通じる美学をご紹介します。
美術館の中に移築された「ライトの邸宅」
メトロポリタン美術館のアメリカン・ウィングには、「フランク・ロイド・ライト・ルーム(Frank Lloyd Wright Room)」と呼ばれる展示室があります。
https://youtu.be/FYjCUGK-fT0?si=HkTekjRZBvkfNTOE
これは、かつてミネソタ州に建てられていたライト設計の「フランシス・W・リトル邸(Francis W. Little House)」のリビングルームを、そのまま美術館の中に移築・復元したものです。
一歩足を踏み入れると、そこにはライト建築特有の「居心地の良さ」が広がっています。 低く抑えられた天井から、開放的な窓辺へと視線が抜ける水平ライン。温かみのあるオーク材のトリム。そして、「光のスクリーン」とライトが呼んだ幾何学模様のステンドグラスから降り注ぐ柔らかな光。
まさに、自然と建築が溶け合う「有機的建築(Organic Architecture)」の真髄を肌で感じることができる空間です。
ライトが設計した「浮世絵を見るためのテーブル」
実はこの部屋には、ライトの日本美術への深い愛を物語る、ある家具が置かれています。それは「プリント・テーブル(Print Table)」です。
ライトは建築家であると同時に、当時全米でも有数の浮世絵コレクター(兼ディーラー)でした。彼はこのリビングルームを設計する際、収集した浮世絵を家族や友人と広げて鑑賞するための専用テーブルをデザインし、空間の中心に据えたのです。
ライトは常々、浮世絵から多大な影響を受けたと語っています。 自然の風景を大胆に切り取る構図、本質だけを残して無駄を削ぎ落とすシンプルさ。そうした浮世絵の美学は、彼の建築デザインの根幹に深く息づいています。
コレクションに見る日本の心
メトロポリタン美術館には、ライトが愛したような浮世絵の名品が数多く収蔵されています。

ライトは建築家であると同時に、当時全米でも有数の浮世絵コレクター(兼ディーラー)でした。彼はこのリビングルームを設計する際、収集した浮世絵を家族や友人と広げて鑑賞するための専用テーブルをデザインし、空間の中心に据えたのです。
ライトは常々、浮世絵から多大な影響を受けたと語っています。 自然の風景を大胆に切り取る構図、本質だけを残して無駄を削ぎ落とすシンプルさ。そうした浮世絵の美学は、彼の建築デザインの根幹に深く息づいています。
コレクションに見る日本の心
メトロポリタン美術館には、ライトが愛したような浮世絵の名品が数多く収蔵されています。

例えば、歌川広重の『江戸小景(Small View of Yedo)』。
広重が描く、雨や雪、霧といった気象の情緒や、自然と人々が調和した風景。それは、ライトが建築を通じて実現しようとした「自然との一体感」と響き合うものがあります。ライトは一枚の版画の中に、西洋の写実主義とは異なる「空間の奥行き」や「リズム」を見出し、それを立体的な建築へと昇華させたのです。
ニューヨークの美術館で、アメリカの偉大な建築家が、かつて日本の浮世絵に夢中になり、その美意識を自らの作品に取り入れていたことに想いを馳せる――。それはとても誇らしく、ロマンチックな体験です。
その精神は、日本の「オーガニックハウス」へ
フランク・ロイド・ライトが浮世絵から学び、アメリカの大地で育んだ「普遍的な美」と「居心地の良さ」。

出典:[The Met] by Hugo Schneider, via Wikimedia Commons
その精神は、流行に流されることなく、現代の日本における「オーガニックハウス」の家づくりにも正統に受け継がれています。
光と風を巧みに取り入れ、四季の移ろいを楽しむ。 住むほどに愛着が深まり、世代を超えて住み継がれる家。
ニューヨークまで行かずとも、そのエッセンスは私たちの身近にあります。ライトが愛した日本の美意識と、有機的建築の思想が融合した住まいを、ぜひオーガニックハウスでご体感ください。
参考リンク
メトロポリタン美術館 :https://www.metmuseum.org/