螺旋上のスリリング
The Thrilling Spiral
【フランク・ロイド・ライトの名建築が登場】映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』で味わう、グッゲンハイム美術館の息を呑む空間美

フランク・ロイド・ライトが提唱した「有機的建築(オーガニックアーキテクチャー)」の思想。自然と建築、そして人が豊かに調和するそのデザインに惹かれる皆様へ、本日は少し視点を変えて、ライトの傑作建築を驚くべき形で堪能できる一本の映画をご紹介いたします。
今回ピックアップするのは、2009年公開のサスペンス・アクション映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』(原題:The International)です。
なぜ、オーガニックハウスのお客様にこの映画をおすすめするのか?
本作は、クライヴ・オーウェン演じるインターポール捜査官と、ナオミ・ワッツ演じる検事が、実在する事件をモチーフにした国際的メガバンクの巨大な陰謀と不正に立ち向かう骨太なサスペンス映画です。
一見すると建築とは無縁のハードな作品に思えますが、実は中盤の最も重要なクライマックスシーンの舞台となるのが、フランク・ロイド・ライトの晩年の最高傑作「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」(ニューヨーク)なのです。

実物大セットで完全再現された「螺旋の空間」
グッゲンハイム美術館といえば、かたつむりの殻のような螺旋状の展示スロープと、中央の巨大な吹き抜け、そして天窓から降り注ぐ柔らかな自然光が特徴的な、世界で最も有名な近代建築の一つです。
映画内では、この美しい美術館を舞台に約15分間にも及ぶ緊迫した銃撃戦が繰り広げられます。もちろん、世界遺産にも登録されている実際の美術館内で弾丸を撃ち合う撮影が許可されるはずもありません。そこでトム・ティクヴァ監督は、なんと数ヶ月の期間と莫大な費用をかけ、美術館の内部を実物大の巨大セットとして本物そっくりに完全再現してしまったのです。
映像だからこそ分かる、ライトの空間設計の妙
建築ファンとしての本作の見どころは、ライト特有の「曲線美」と「連続する空間」が、映像の中で見事に活かされている点です。

途切れることのない螺旋状のスロープがもたらす上下の視線交差や、広大な吹き抜けが作り出す音の反響、そして光と影のコントラスト。アクションシーンの激しさもさることながら、ライトの空間設計が持つ特異性やドラマチックな魅力が、キャラクターの動きを通して直感的に伝わってくる非常に稀有な映像体験となっています。
「もし自分がこのスロープに立っていたら、空間はどう見えるのか」——そんな建築的な視点で鑑賞すると、一般的なサスペンス映画とはまったく違う楽しみ方ができるはずです。
名建築の息吹を、あなたの住まいにも
世界的規模の美術館から、私たちが日々やすらぐ住宅まで。
ライトが追求した「空間の連続性」や「光の取り入れ方」、「自然の理にかなったデザイン」は、建物の用途やスケールが変わっても決して揺らぐことはありません。

映画の中で圧倒的なスケールで描かれたライトの名建築の息吹を感じた後は、ぜひ私たちオーガニックハウスがご提案する「住まい」の中にあるライトのDNAにも思いを馳せてみてください。
週末のリラックスタイムに、ぜひ『ザ・バンク 堕ちた巨像』をご覧になってみてはいかがでしょうか。息を呑むサスペンスの果てに、偉大な建築家の遺した空間美があなたを待っています。
▼作品情報
『ザ・バンク 堕ちた巨像』(Blu-ray・DVD・配信)
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