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LAの丘に浮くキャンティレバー住宅

A Cantilever House Floating on the L.A. Hills                     

「受け継がれる家」の真価。F.L.ライト「スタージス邸」の保存活動と私たちの想い

出典:[Sturgis House (1) (27799695964)] by Kyle Magnuson , via Wikimedia Commo

フランク・ロイド・ライトの理念を受け継ぎ、自然と調和する「有機的建築」を日本でお届けしているオーガニックハウス。私たちの住まいづくりの根底には、「世代を超えて住み継がれる家」という強い想いがあります。

今回は、ライトが1939年に設計したロサンゼルスの名作住宅「スタージス邸(Sturges House)」の歩みと、現在直面している保存活動を通じて、「名建築を未来へ残すことの社会的意義」についてご一緒に考えてみたいと思います。

ユーソニアン建築の傑作と、愛に溢れたオーナーたち

スタージス邸は、ライトが提唱した「ユーソニアン・ハウス」の初期の代表作です。大恐慌後のアメリカにおいて、中間層の家族が自然と共に豊かに暮らせる理想の住まいとして生み出されました。

出典:[Brentwood Heights. Veduta d'insieme della George Sturges House] by André Corboz , via Wikimedia Commo

急勾配の斜面から大きくせり出したバルコニー(キャンティレバー構造)や、レッドウッド(セコイア)とレンガを用いた温かみのある外観は、まさに自然と建築が一体化するライトの哲学を体現しています。

この家は、住まい手によって深く愛されてきました。1967年からはハリウッド俳優のジャック・ラーソンと映画監督のジェームズ・ブリッジスが購入し、半世紀近くにわたり深い愛情をもって修復・維持を続けました。彼らの存在は、「建築は住まい手によって育てられ、守られる」という美しい事実を私たちに教えてくれます。

現在の危機と「放置による解体」という社会問題

しかし、素晴らしい歴史を持つスタージス邸は現在、深刻な危機に瀕しています。2016年に所有者が変わって以降、適切なメンテナンスが行われず、木材の腐朽やバルコニーの劣化が進行しているのです。

現地のロサンゼルス管理委員会(L.A. Conservancy)は、2026年の「要注目リスト(Watch List)」の最優先課題としてスタージス邸を挙げ、行政や社会に緊急の介入を呼びかけています。

ここで浮き彫りになっているのが、「放置による解体(Demolition by neglect)」という社会問題です。歴史的文化財に指定されていても、所有者が修繕を怠り建物を意図的に朽ちさせることで、最終的に「危険だから」と解体許可を得てしまうケースが後を絶ちません。名建築を個人の所有物としてだけでなく、地域の文化的財産としてどう守るべきか。これはアメリカのみならず、現代の住宅市場全体に通じる大きな課題です。

スタージス邸の未来から私たちが受け取るメッセージ

スタージス邸の保存活動が持つ最大の社会的意義は、「住まいは消費されるものではなく、社会的・文化的資産である」という価値観を社会に再認識させることにあります。

オーガニックハウスがお客様にご提案している住まいも、全く同じ哲学に基づいています。日本の住宅市場では長らく「スクラップ&ビルド(建てては壊す)」が主流でしたが、私たちはライトの有機的建築の理念のもと、時が経つほどに風合いを増し、街の景観の一部となり、次の世代へと受け継がれる家づくりを目指しています。

スタージス邸が直面している試練は、家が「建てて終わり」ではないことを教えてくれます。適切な素材選び、堅牢な構造、そして何より「住まい手が心から愛着を持てる普遍的なデザイン」があってこそ、家は100年の時を刻むことができるのです。

ロサンゼルスの丘の上で、今も静かに自然と対話しているスタージス邸。その美しい姿が適切に保全され、未来の世代へと受け継がれることを願いながら、私たちオーガニックハウスも、お客様の人生に永く寄り添い、愛され続ける「真の邸宅」を日本に増やし続けてまいります。

distinct Editorial team

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Column

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Published  

2026/8/31

distinct Editorial team

2026/7/22

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